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事例Ⅲの難関を突破するための秘訣!生産・技術の事例で隠された情報を見つける方法

中小企業診断士試験の二次試験には、事例Ⅲと呼ばれる「生産・技術の事例」があります。この事例は、経営戦略や経営管理の課題を解決するために、生産・技術の施策を使って提案することを問われます。しかし、この事例は、一見身近な業界や企業が題材になっているので簡単そうに見えても、実はとても難しいのです。なぜなら、与件文には、出題者が意図的に隠した情報があるからです。この隠された情報を見つけ出し、設問の意図を読み取り、適切な解答を書くことが、この事例のポイントになります。

では、どのようにして、隠された情報を見つけ出すのでしょうか。そのための対策としては、以下のことを意識することが大切です。

設問を読むだけで、仮説検証思考で解答の方向性を考える
生産・技術の観点から解答を作成する
A社の過去の強み(成功要因)を使う
設問のレベルを意識する
まず、設問を読むだけで、仮説検証思考で解答の方向性を考えるということです。これは、与件文を読む前に、設問を読んで、最終的な解答はどのようなものになるか、その方向性を2~3パターンほど思い浮かべるということです。例えば、「A社の売上を伸ばすために必要な施策は何か」という設問に対しては、「生産計画の見直し」「生産工程の改善」「生産技術の導入」「生産拠点の最適化」などの方向性を仮説として挙げておきます。そして、与件文を読むときには、それらの仮説を検証するための情報を探すようにします。これにより、与件文の重要な部分に集中でき、時間のロスを防ぐことができます。

次に、生産・技術の観点から解答を作成するということです。これは、設問が経営戦略や経営管理に関するものであっても、必ず生産・技術の施策を手段として導入するということです。例えば、「A社の売上を伸ばすために必要な施策は何か」という設問に対しては、「マーケティングや財務の施策を知っていると、それらの知識で解答を書いてしまうケースがありますが、事例Ⅲは、あくまで「生産・技術の事例」ですから、「本当に生産・技術の施策でできることはないのか」を、まずは考え、追求することが重要です。例えば、「生産計画の見直し」や「生産工程の改善」などの施策を提案することができます。

さらに、A社の過去の強み(成功要因)を使うということです。これは、方向転換後に、過去の「強み」をどのように活かすかを考えるということです。例えば、「A社は、高品質な製品を低コストで生産できるという競争力を持っていた」という過去の強みを持っているとします。方向転換後に、この強みをどう使うかというと、「新規市場に参入し、高品質な製品を低価格で提供する」という提案ができます。このように、過去の強みを方向転換後の施策につなげることで、解答の説得力を高めることができます。

最後に、設問のレベルを意識するということです。これは、設問が経営戦略レベル、管理レベル、現場レベルのどれに該当するかを判断し、それに応じた解答を書くということです。例えば、「A社の売上を伸ばすために必要な施策は何か」という設問は、経営戦略レベルの設問であると考えられます。したがって、管理レベルや現場レベルの施策を提案すると、設問のレベル感に合わない解答になってしまいます。設問のレベル感を意識することで、適切な深さや幅の解答を書くことができます。

以上が、事例Ⅲの解答方法のポイントです。事例Ⅲは、与件文に隠された情報を見つけ出し、設問の意図を読み取り、適切な解答を書くことが求められます。そのためには、設問を読むだけで、仮説検証思考で解答の方向性を考えること、生産・技術の観点から解答を作成すること、A社の過去の強み(成功要因)を使うこと、設問のレベルを意識することが大切です。事例Ⅲの勉強を始める前に、ぜひ、参考にしてください。