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【中小企業診断士受験者向け】防護商標登録制度とは?

防護商標登録制度とは
防護商標登録制度とは、著名な登録商標が非類似の商品や役務について使用された場合でも、出所の混同のおそれがある場合に、商標権者がその商標について登録を受けることができる制度です。

具体的には、商標法第65条の4に規定されており、同条では「登録商標が商標権者の業務に係る指定商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている場合において、他人がその商標をその指定商品若しくは役務と類似しない商品若しくは役務について使用すると当該商標権者の取扱う商品若しくは役務であるかのように出所の混同を生じさせるおそれがあるときは、商標権者は、その混同を生じさせない範囲で、当該商標について登録を受けることができる」と規定されています。

防護商標登録制度のメリット
防護商標登録制度のメリットとしては、次のようなものが挙げられます。

・著名な登録商標が非類似の商品や役務について使用された場合でも、出所の混同のおそれから保護されることができる。
・商標権者にとって、著名な登録商標の価値を維持することができる。
・商標権者にとって、侵害行為を予防することができる。
防護商標登録制度の要件
防護商標登録制度を利用するためには、次の要件を満たす必要があります。

・商標が著名であること。
・他人が商標を非類似の商品や役務について使用すると、出所の混同を生じさせるおそれがあること。
・商標権者が、混同を生じさせない範囲で、商標について登録を受けることについて正当な利益を有していること。
防護商標登録制度の具体例
防護商標登録制度を利用した具体例としては、次のようなものが挙げられます。

トヨタ自動車株式会社は、「トヨタ」の商標について、自動車以外の商品や役務について防護商標登録を受けています。
キリンビール株式会社は、「キリン」の商標について、ビール以外の商品や役務について防護商標登録を受けています。
サントリーホールディングス株式会社は、「サントリー」の商標について、酒類以外の商品や役務について防護商標登録を受けています。
防護商標登録制度の注意点
防護商標登録制度を利用するためには、いくつか注意点があります。

・商標が著名でなければ、防護商標登録を受けることができません。
・他人が商標を非類似の商品や役務について使用しても、出所の混同を生じさせない範囲でのみ、商標について登録を受けることができます。
・商標権者が、混同を生じさせない範囲で、商標について登録を受けることについて正当な利益を有している必要があります。

防護商標登録制度は、著名な登録商標を保護するための有効な手段です。商標が著名な場合には、防護商標登録制度の利用を検討してみてはいかがでしょうか。