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FPの知識や本から学んだことのアウトプット

USJの奇跡を生んだ、マーケティングの神様の教え

USJの最高マーケティング責任者・森岡毅氏が書いた『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』https://amzn.to/3SKEwJbという本の内容を紹介します。この本は、USJを経営危機からV字回復させた秘訣を語る本であり、マーケティングの本質と戦略について学ぶことができます。この本の伝えたいメッセージを抽象化して、項目分けすると以下のようになります。

マーケティングの本質は、売れる必然をつくることである。
・日本はマーケティング後進国であり、消費者視点になることが必要である。
・顧客の頭の中、店頭、使用体験の3つの顧客接点を制することが重要である。
マーケティングには戦略が必要であり、確率思考やフレームワークを用いることが有効である。
マーケティングは組織革命であり、全社がお客様の方を向いて仕事をすることが大事である。
それでは、これらの項目にそれぞれ具体例を追加して、まとめてみました。

マーケティングの本質は、売れる必然をつくることである
マーケティングとは、何かを売るための活動ではありません。売ることは結果であり、原因ではありません。マーケティングの本質は、売れる必然をつくることです。つまり、お客様が自発的に欲しくなるような商品やサービスを提供することです。例えば、USJでは、ハリー・ポッターミニオンなどの人気キャラクターを使ったアトラクションを開発しました。これらのアトラクションは、ファンの方々にとっては見逃せないものであり、USJに行きたくなる理由になりました。また、USJでは、入場料だけでなく、飲食やグッズなどの売上も重視しました。これらの商品やサービスも、お客様にとっては価値が高く、記念になるものでした。このように、USJは、お客様が自らお金を払いたくなるような売れる必然をつくりました。

日本はマーケティング後進国であり、消費者視点になることが必要である
日本は、製品や技術に優れている国ですが、マーケティングに関しては後進国です。日本の多くの企業は、自社の製品やサービスに自信を持っていますが、それがお客様にとって本当に必要なものかどうかを考えていません。また、日本の多くの企業は、競合他社との差別化や優位性を訴求することができていません。例えば、USJでは、以前は、ディズニーランドと同じようなテーマパークとして認識されていました。しかし、森岡氏は、USJの強みである映画やアニメのキャラクターを活かし、ディズニーランドとは違う体験を提供することにしました。また、USJでは、お客様の声を聞くことに力を入れました。お客様がどんなアトラクションやグッズを求めているか、どんな不満や要望があるかを調査し、それに応えるように改善しました。このように、USJは、消費者視点になることで、お客様にとって魅力的なテーマパークになりました。

顧客の頭の中、店頭、使用体験の3つの顧客接点を制することが重要である
マーケティングにおいて、お客様との関係を築くためには、3つの顧客接点を制することが重要です。顧客接点とは、お客様が商品やサービスに触れる場面のことであり、以下の3つに分けられます。

1.顧客の頭の中:お客様が商品やサービスについて知る、興味を持つ、欲しくなる段階です。
2.店頭:お客様が商品やサービスを購入する段階です。
3.使用体験:お客様が商品やサービスを使う、楽しむ、満足する段階です。
例えば、USJでは、これらの3つの顧客接点を制するために、様々な施策を行いました。

1.顧客の頭の中:USJでは、新しいアトラクションやイベントの情報をSNSやメディアで積極的に発信しました。また、口コミや評判を重視し、お客様に感動や感謝を伝えるようにしました。これにより、USJに対する認知度や関心度を高めました。
2.店頭:USJでは、チケットの販売方法や価格設定を工夫しました。例えば、事前に日付指定のチケットを購入すると割引になるようにしたり、年間パスポートを導入したりしました。また、チケットの販売チャネルを多様化し、オンラインやコンビニなどで購入できるようにしました。これにより、USJに行くことを決めやすくしました。
3.使用体験:USJでは、お客様がUSJで過ごす時間を最大限に楽しめるようにしました。例えば、アトラクションの待ち時間を短縮するために、予約制や優先入場制を導入したり、待ち時間中に楽しめるコンテンツを提供したりしました。また、飲食やグッズなどのサービスも充実させ、お客様のニーズに応えるようにしました。これにより、USJでの満足度やリピート率を高めました。
マーケティングには戦略が必要であり、確率思考やフレームワークを用いることが有効である
マーケティングには、目的や目標を明確にし、それに沿った計画や施策を立てることが必要です。しかし、マーケティングは不確実なものであり、成功するかどうかは分かりません。そこで、確率思考やフレームワークを用いることが有効です。確率思考とは、事象の発生確率や期待値を計算し、最適な判断をすることです。フレームワークとは、問題を分析するための枠組みや手法です。例えば、USJでは、新しいアトラクションやイベントの効果を予測するために、市場規模や競合状況、顧客属性などのデータを収集し、分析しました。また、USJでは、マーケティングの4P(製品、価格、販売促進、流通)やSTP(市場セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)などのフレームワークを用いて、戦略を立てました。これにより、USJは、効果的なマーケティングを実行することができました。

マーケティングは組織革命であり、全社がお客様の方を向いて仕事をすることが大事である
マーケティングは、一部の部署や担当者だけの仕事ではありません。マーケティングは、全社がお客様の方を向いて仕事をすることです。お客様の満足や忠誠度を高めるためには、社内の壁や階層を取り払い、コミュニケーションや協力を促進することが必要です。例えば、USJでは、森岡氏が最高マーケティング責任者に就任した際に、組織改革を行いました。彼は、部署や役職に関係なく、全員がお客様の声に耳を傾け、お客様のために行動することを求めました。また、彼は、社員に対して、自分の仕事の目的や意義を考えることを促しました。これにより、USJは、お客様にとって最高のテーマパークを目指す一体感と熱意を持つことができました。

以上が、『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』のまとめです。この本は、マーケティングの本質と戦略について、具体的で分かりやすい事例を交えて説明しています。ビジネスマンの皆さんにとっても、参考になると思います。