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2024年問題に備えよう!小規模建設業者の経営を強化するための対策とは?

 中小企業診断士の皆さん、こんにちは。今回は、小規模建設業者の経営課題について考えてみたいと思います。

 小規模建設業者とは、従業員数が20人以下、資本金が1億円以下の建設業者のことです。このような業者は、日本の建設業の約9割を占めており、地域のインフラ整備や住宅建設などに貢献しています。しかし、近年、小規模建設業者は様々な経営課題に直面しています。その主なものは、以下の4つです。

・資材の高騰
・後継者不足・人材不足
・倒産件数の増加
・2024年問題
まず、資材の高騰についてです。海外情勢の変化により、建設に必要な資材の価格が上昇しており、工事費用の増加につながっています。特に、鉄鋼や木材などの主要な資材は、供給不足や輸送コストの高騰などで価格が急騰しています。このような状況では、小規模建設業者は、資材の調達や在庫管理に苦労し、利益率の低下や受注の減少に影響を受けます。

 次に、後継者不足・人材不足についてです。少子高齢化により、建設業の労働人口が減少し、技術を持った職人や後継者が不足しています 。建設業は、重労働や危険な作業が多く、給与や待遇も低いというイメージが強いため、若者や女性の就業意欲が低く、離職率も高いです。また、小規模建設業者は、大手や中堅の建設業者と比べて、経営資源や人事制度が乏しく、人材の確保や育成が困難です。

 さらに、倒産件数の増加についてです。新型コロナウイルスの影響で、建設需要が減少し、中小企業の経営が厳しくなっています 。特に、小規模建設業者は、受注の減少や支払いの遅延などで資金繰りが悪化し、倒産の危機に陥りやすいです。実際、2023年の建設業の倒産件数は、前年比で約1.5倍に増加し、そのうち約8割が小規模建設業者でした。

 最後に、2024年問題についてです。2024年4月から、建設業に対する労働時間の上限規制や時間外割増賃金率の引上げが適用されるため、業務の効率化やDX化が求められます 。建設業は、現場の状況や天候によって作業時間が変動するため、労働時間の管理が難しいです。また、小規模建設業者は、ICT技術の導入や活用が遅れており、業務のデジタル化や自動化が進んでいません。このような状況では、小規模建設業者は、労働コストの増加や生産性の低下に直面します。

 以上のように、小規模建設業者は、多くの経営課題に取り組む必要があります。しかし、これらの課題に対処するためには、様々な対策が可能です。例えば、以下のようなものがあります。

ICT技術の活用:ICT技術を活用することで、資材の在庫管理や発注、工程管理や品質管理、労働時間の記録や分析など、業務の効率化や品質向上が図れます 。
 テレワークの推進:テレワークを推進することで、現場と事務所の連携やコミュニケーションが改善され、業務の柔軟性や生産性が向上します 。
人材育成や事業承継の支援:人材育成や事業承継の支援を受けることで、技術や経営の継承や発展が促進され、人材の確保や育成が容易になります 。
補助金や低利融資、税制優遇などの制度の活用:補助金や低利融資、税制優遇などの制度を活用することで、資金調達や設備投資、ICT導入などの経営改善が支援されます 。
 小規模建設業者の経営を強化するためには、これらの対策を積極的に実施することが重要です。しかし、これらの対策を実施するためには、まず、自社の経営状況や課題を正しく把握することが必要です。そのためには、中小企業診断士の皆さんの役割が大きくなります。中小企業診断士の皆さんは、小規模建設業者の経営に関する専門的な知識や経験を持っており、経営診断やアドバイス、支援制度の紹介など、様々なサービスを提供できます。小規模建設業者の経営者は、中小企業診断士の皆さんに相談しやすい立場にあります。そのため、中小企業診断士の皆さんは、小規模建設業者の経営課題に対する最適なパートナーと言えます。

 小規模建設業者の経営課題は、日本の建設業全体の課題でもあります。日本の建設業は、社会的な役割や責任が大きく、国民の生活の基盤となる重要な産業です。そのため、小規模建設業者の経営課題の解決は、日本の建設業の発展や社会の安定にも寄与します。中小企業診断士の皆さんは、小規模建設業者の経営課題に対する専門家として、その役割を果たしてください。小規模建設業者の経営者と協力し、課題に応じた対策を提案し、実行し、評価し、改善しましょう。小規模建設業者の経営を強化することで、日本の建設業の未来を切り開くことができます。